動画制作・映像制作を行う際に忘れがちなのが、そう、音声について。
映像には色々と時間を掛けるのに、その音について、肝心の演者の声が聞き取りづらかったり、BGMとのバランスが悪かったり、映像全体の音量が小さすぎてパソコンの音量を上げて見ていたら終わった途端に次の映像が大音量で始まってしまい焦ってしまったことはありませんか?
せっかく100点の映像を作っても、オーディオの印象が悪いだけで全体の印象が悪くなってしまいます。
特に出だしの印象が悪いとその動画は見られることすらなく、飛ばされてしまう可能性が非常に高くなります。
そんな事にならないように、今回は動画制作時における最低限の「音」の扱いについて触れてみたいと思います。
細かく見ていくとキリがないですが、まずは最低限この2点だけでも気を付けておけば、まずは動画の印象が悪くなることはありません。
・聞きたいものが普通にちゃんと聞こえる
・正しく音量のバランスが取れている
この2点だけです。別の言い方をすると「聞いていて違和感を感じない」ことが非常に重要になってきます。
音声の録音時には撮影時に適正なレベルで適切なマイクセッティングで録音するという事が最も重要なのですが、これについては後日触れるとして、撮影後の編集時の音の処理の話です。
1点目の「聞きたいものがクリアに聞こえる」かについては、大半のシチュエーションでは出演者の「声」に関してである事が殆どだと思います。
録られた音声を録りっぱなしのまま使用するのではなく、例えば下記の処理を施してあげるだけでも随分と聞きやすくなると思います。
・不要部分のカット(もしくはミュート)
・出演者毎の音量調整
・EQ(イコライザー)操作
・コンプレッサー(音量差を整え、音に存在感を与えるエフェクト)
波形を表示することでおよその編集位置を把握して、カットもしくはキーフレームで音量を操作。出演者が複数の場合にはその人ごとに。
周りのノイズや咳払い、エアコンや車の音など、空気感を残したい場合を除いて、基本的には綺麗にしておきましょう。
タイムラインの拡大/縮小のショートカットを覚えておくと捗ります。
(FCPXやDaVinciの場合はタイムライン上で:コマンド + 「+/-」で拡大や縮小、Shift + Zで全体表示などが出来ます。お使いのソフトに合わせて調べてみて下さい。)
まずはオーディオメーターで -6dbくらいがMAX時の音量になるように。(急な音量変化やBGM用のスペースを残しておく)
EQについては声用のプリセットで良いので当ててみる。
全体を通してメーターがピークを突いて赤くならない範囲でできるだけ大きく調整すること。
音量差が激しい場合はコンプレッサーの使用も検討してみましょう。
各オーディオメーターの表示例
DaVinci Resolve Fairlightパネル
DaVinci Resolve Editパネル
FCPX
2点目の音量のバランスが取れているかという点については、例えば主人公のセリフが聞きたいのにBGMが大きすぎるとか、2人で会話している時に一方だけが不自然に大きいとか、そういうことです。
こちらはメーターを見ながらでもある程度は揃えられますが、やはり自分の耳で聞いて自然な感じに整えましょう。
ノートPCなどの小さなスピーカーでは再生できる帯域や音量も限られてしまうので、できれば小型でも良いので外付けのスピーカーやオーディオ、イヤホンやヘッドホンでのモニタリングをオススメします。そして、可能ならば2つ以上の環境で聞き比べてみて下さい(スピーカーとイヤホンなど)。
動画を見る人はスマホなのか、PCなのか、様々な環境での視聴が想定されますので、「特定の」環境での聞こえ方だけではなく、様々なシチュエーションを想定してミックスしてみてください。
もしくはYouTubeなどで、リファレンスとする他の動画と自分の動画と聞き比べてみるのも良いと思います。
メーターなども使用しながら、最終的には自分の「耳」で良い音を見つけてみて下さい!
それではまた!
HH