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スローモーション映像を作成する際に、120fpsや240fpsなどのHS(ハイスピード)撮影が出来ていれば良いのですが、60fpsでもなく、通常の30fpsの素材を少し引き伸ばしたい場合などがあります。
例えば30fpsで撮影された素材の再生速度を50%にすると、1秒間に15枚の静止画を表示させていることになるのでかなりカクカクとした動きになってしまいます。
動きの少ない素材であれば何とかなる場合もありますが、動いている物などでは不自然なコマ送り感が出てしまうことが多いです。
そんな時にもう少しだけ映像を滑らかにする方法がありますので、私の環境でのFinal Cut Pro XとDaVinci Resolve 14でのやり方を紹介したいと思います。
(別のソフトでも同様の処理は可能かと思います。)
素材
ここにiPhoneで30fpsで撮影された、車が走っている素材を用意しました。
※オリジナル素材
これをタイムラインに取り込み、試しに再生速度を50%にしてみます。
※50%素材
やはり30fpsの時よりも滑らかさがなくなっていますね。
やり方
ここからがもう一手間を掛けるところなのですが、リタイム処理の際に、書き出しの方式を選択できるのはご存知でしょうか?
フレーム合成やオプティカルフローと呼ばれる設定によって、少ないフレーム数からでもなめらかな映像を作成することが可能になるのです。
FCPXの場合はプレビュー画面左下のこのメーターのアイコンから【ビデオの品質】を選択
DaVinci Resolveの場合はEditページのプレビュー画面右側の【インスペクタ】から【リタイムとスケーリング】を選択します。
フレームの合成/フレームブレンド、またはオプティカルフローを選択できます。
【フレームの合成】は前後のフレームからその間のイメージを補完してディゾルブを行うのに対し、【オプティカルフロー】は画像間で点がどう動いたかを分析し、動きを予測して処理を行います。
オプティカルフロー>フレーム合成>ノーマル
の順に処理にパワーが必要となり、(ハマれば)順に滑らかな映像となります。
なら全てオプティカルフローにしてしまえばいいのでは?…となりそうですが、万能ではありません。残念ながら上手く行く場合と行かない場合があります。
オプティカルフローは建物や背景もあまりごちゃごちゃしておらず、対象物が一定の動きをしている場合などでは非常に有効ですが、例えば対象物が違う方向からそれぞれ動いてきて重なったりしてしまう場合の処理は得意ではないようです。
サンプル動画
FCPXで処理をした3パターンを比較してみました。
オプティカルフローでは特に車の輪郭の周りやタイヤ下部などで補正した感じが出てしまっていますね。
せっかくなので、このクリップをFinal Cut Pro XとDaVinci Resolve 14 Studioの両方で処理して比較してみました。
オプティカルフローでは割と結果が分かれたのに対し、フレームブレンドではある程度同じような仕上がりとなりました。
フレーム合成比較
オプティカルフロー比較
DaVinci Resolveのマニュアルでは、まずはオプティカルフローにしてみて、結果が望ましくなかった場合にはフレームブレンドを試して下さいとあります。
上手くいったパターンのサンプルではなくて恐縮ですが、例えば速度が50%の場合と85%の場合では結果も変わってきます。
最後はご自身で確認しながら、そのクリップに合ったものを選んで頂ければと思います。
それではまた!
HH
(2017.12.7 追記)
オプティカルフローなどの動作が思わしくない場合に、プロジェクト設定からもう少し踏み込んだ設定が可能です。
まずはプロジェクトを開き、画面右下の歯車のアイコンから設定を開いて下さい。
その中にリタイミング関連の設定項目があります。
左側のマスター設定の中から、画面一番下(出ない場合はスクロールダウンして下さい。)の「フレーム補間」の項目を設定します。
ここではプロジェクトのデフォルトでの挙動を設定するのですが、うまくハマればより良い映像になると思います。
ではまた!
HH
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