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4Kなどに対応した機材が流通してきたとは言え、WEB動画やYouTubeなどの用途で書き出す場合にはフルHD解像度での書き出しがまだまだ多いのではないでしょうか。
今回は、フルHD(1920 x 1080 px)で書き出すプロジェクトの場合でも、2Kや4Kなど大きめの解像度で撮っておくメリットをお伝えします。
基本的な考え方としては、例えば解像度がフルHDの素材(1920 x 1080)と4Kの素材(UHD:3840 x 2160)があったとすると、4Kの素材は縦横ともに単純にフルHDの倍ずつの長さがあります。
面積で言うとフルHD x 4面分のデータとなります。
この考えをもとに、下記のようなポスト編集を加えた場合でも、Dot by Dot以下の情報量にはならないため、画質の劣化なく書き出しが行えるという事になります。
メリットその①:カメラワークを後からでも補える
これはパンやティルト、ズームやクロップなどを劣化のない範囲で行なえます。
基本的には少し引きで撮っておくことにより、構図に遊びを設けておきます。
1. パン
もともとの4Kのサイズに対して、2画面分の動きが可能です。ドリー風の動きですね。
2. ティルト
パンと同様です。組合せて斜めの動きなどもこれのバリエーションとなります。
3. ズーム・クロップ
実際にカメラの位置を動かしたりレンズの倍率を変えて撮影したものとは違いますが、倍率にして2倍までのデジタルズームが可能になるので、例えば話し手のセリフの一部を強調したい時や注目を引きたい時などに使用出来ます。
例えば、ここに引きで撮影したショットがあるとします。
薄い黄色の部分がフルHDの解像度だとします。
例えば理論上最大の2倍にズームするとこうなります。
ここまで寄れれば表情などのニュアンスもグッと伝わりやすくなりますよね。
もうひとつサンプルを挙げておきます。
例えば1台しかカメラが用意できないような場合でも、メリハリを付けることが可能になります。
撮影時にはポストでこのような処理を行うことも加味して構図を決めておくと良いかもしれませんね。
メリットその②:映像の補正目的として
これは撮影後に例えば水平が微妙に取れていなかった場合の修正や、手持ち撮影の素材にスタビライズ(手ブレ軽減)処理を施す場合などにも有効です。(ドローンなどは地平線を一緒に撮ることが多いので、水平をポストでよく修正したりします。)
このような処理は通常は黒い部分が写り込まないように映像の周囲をクロップして(切り取って)拡大するのですが、よほどのことがなければフルHD以下の解像度までクロップされることはありません。
仮にこれが4KではなくフルHDで撮影した素材だと、デジタル処理で拡大しないといけないことになり、画像が劣化してしまうこととなります。
メリットその③:より綺麗に再生できる
最終的には1920 x 1080 ピクセルに書き出すとしても、4K素材から書き出した方が綺麗に再生できる気がします。
これについてはちょっと根拠もなく私感で恐縮なのですが、おそらく例えば4Kからのダウンコンバートの場合では、最終的なひとつのピクセルの情報量がそもそも4倍となっているためではないかと考えています。
デメリット
とここまで書きましたが、ファイルサイズが大きくなってしまったり、作業するマシンのスペックの影響を受けやすい等というデメリットもあります。
4K素材をサクサク料理するやり方は以前のポストをご覧ください。
それでははまた!
HH
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