先日の導入編では紹介のみで、細かく説明はしなかったのですが、DaVinci Resolve(に限らずですが)にメディアを読み込んだだけで、そのまま編集作業を行っていると動作が遅くなってしまいます。
これは、昨今の4Kだ、60pだ何だで容量の膨らんでしまったコンテンツを扱う際に如実に現れてきます。
新しめのマシンを使っていても例えば4K60Pの素材をスムーズに扱うのは難しいのではないでしょうか。
そんな時には「プロキシ(Proxy)」を用いて編集することでマシンへの不可を軽減することが可能になります。
データの重たい元データは直接は開かずに、そのデータを軽くしたProxyと呼ばれる軽い、言わば影武者のデータを作成して扱うことにより、マシンに負荷を与えずにサクサクと作業を進められるようになります。
もちろんプロキシデータの分だけストレージも必要になってきますし、データを圧縮した分だけクオリティは劣化してしまいますが、これをやるのとやらないのでは作業効率に大きな違いが出てきます。
DaVinci Resolveではあまり「プロキシ編集」と言う単語が用いられていないようですが、こんな流れになりますので試してみて下さい。(DaVinci Resolve 14 Studio:Ver. 14.0.1での場合)
1. プロキシフォーマットの設定
まずはプロジェクトを開いたら画面一番右下の歯車のアイコンから設定を開きます。
(基本的にはプロジェクトごとに設定が必要ですが、毎回面倒であればプリセットとして保存も可能です)
ここで「マスター設定」タブから「最適化メディア」の「解像度」「フォーマット」「キャッシュフォーマット」の3つを設定します。(Ver. 12.5とは設定の場所が変わっています。)
- 解像度:元データの解像度をどれだけ下げるかの設定です。例えば4Kを1/2にすれば 1920 x 1080になりますし、8Kを1/2にすれば 3640 x 2160の4Kとなります。小さければ小さいほど動作は軽くはなりますが、その分エディット時のプレビュー映像のクオリティも下がってしまいますので、特に理由がない場合以外は「自動選択」で良いと思います。
自動選択の場合はタイムラインの解像度以上のものだけ自動的にタイムラインの解像度にしてもらえますので、例えばFull HDと4Kと8Kの素材が混在している場合でもタイムラインのプレビュー解像度の設定が 1920 x 1080であれば3つとも同じこの解像度で扱えることとなります。
- フォーマット:編集時に読み込むデータのフォーマットを指定します。基本的にはリストの中では上から非圧縮, ProRes, DNxHRとなります。
※Macを使っている場合はProResフォーマットを使うのも良いのですが、Windowsとの相性問題も合ったりするため、個人的にはDNxHR HQあたりを基本にして、関わっているプロジェクトの種類によって使い分けるのが良いと思いますが、一般的にはそのマシンのスペックで扱える最高のものを選んでおけば問題ないと思います。
- キャッシュフォーマット:エディットを行った後のデータを保存する際の中間コーデックを指定します。特に理由がなければ「フォーマット」で設定したものと同様でOKだと思います。
いずれも再度の書き出しは必要にはなりますが、後からの変更も可能です。
作業を行うなかであまりに遅い場合にひとつ下のフォーマットを選び直すといったことも可能ですし、ここぞという時はプロキシではなく元データからの高解像度での編集も可能です。
2. プロキシデータの作成(メディアページ)
最適化のフォーマットを選択したら次は実際のファイルの変換です。
メディアページでメディアプールにある対象ファイルを右クリックして「最適化ファイルを作成」を選択すると作成が始まります。
注意点としてはこの作業中はDaVinci上で他の作業が一切できなくなります。
ファイル数や総再生時間が長い場合などには外出前や睡眠前など、時間のある時にまとめて変換を行ったほうが良いかもしれません。
時間は掛かりますが最初に一度だけやってしまえば後は必要ありませんので、各セッションの最初の一回だけ耐えましょう。
※メディアページ以外でもタイムライン上の素材を直接右クリックしての作成等も可能なので、WEBやスマホ用などで重い素材ではない場合には飛ばしても良いかもしれません。
3. 再生メニューでの設定
最適化ファイルが出来上がったらあとは特に意識することなくエディットページやカラーページで作業を行うのですが、再生メニューでの表示設定もお忘れなく。
最適化したファイルを使うためには「再生」メニューから「最適化したメディアがある場合は使用」
にチェックを入れて下さい。ここを外すと最適化ファイルを使用しないため重くはなりますが高画質でのプレビューが可能になります。
その他、「パフォーマンスモード」はチェックを入れた方が動作が速くなるようなのでONに。
「プロキシモード」をHalfやQuarterにすることによって動作も軽くなりますので、作業内容によっては使い分けてみて下さい。
4. ファイル書き出し時の注意(デリバーページ)
最後に注意しないといけないのが書き出し時の設定。これを誤ると元データではなく最適化ファイルからの書き出しとなってしまいます。逆に言うと、うまく使えば書き出し時間の短縮にもなります。
デリバーページで左側のビデオタブで、「最適化したメディアを使用」もしくは「レンダーキャッシュを使用」を選ぶと、最初に設定したプロキシファイルからの書き出しとなりますので、高画質で書き出したい場合にはチェックがOFFになっていることを確認してから書き出してくださいね。
おわりに
動画を扱っているとマシンスペックを疑ってしまうこともありますが、もしDaVinci Resolveをお使いの方の助けとなれば幸いです。
それではまた!
HH
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