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※2019年8月現在、DaVinici Resolve 16が最新版です。ユーザーインターフェースなどに若干の違いはありますが、この記事は基本的には現行のバージョンにも対応した内容です。
皆さんは Blackmagic Design社のDaVinci Resolve(ダヴィンチ・リゾルヴ)と言う動画編集ソフトはご存知でしょうか?
出てきた頃はカラーグレーディングに特化したソフトだったのですが、アップデートを重ね、現在は動画の編集ソフトとして動画の取り込み、カット編集、テロップやトランジション、グレーディングはもちろんのこと、動画の書き出しまで一通りの作業がソフト内で完結できるようになりました。
しかもこのDaVinci Resolveで一番嬉しいのは、高性能でありながら、殆どの機能が無料で使えるという点です。そして、Mac, Windows, Linuxの3つのプラットフォームに対応しているというのもポイントが高いのではないでしょうか。
DaVinci Resolve(現在はVer. 16)には
- DaVinci Resolve 14(無償版)
- DaVinci Resolve 14 Studio(有償版)
という2つのバージョンがあります。
無償版と有償版の違いは何かというと、WEBにはこうあります。
DaVinci Resolve Studioは4K以上のサポートを追加。
120fpsまでのフレームレートにも対応しています。
また、無償バージョンには含まれない、数多くのイメージ処理機能やフィルターを使用できます。
フィルムグレイン、時間的/空間的ノイズ除去、顔を強調する新ツール、レンズフレア、レンズ歪み補正、オプティカル・クオリティのブラー/ミストエフェクト、マッチムーブ、ワーピングなど、様々な機能を搭載!
通常の作業では、「どうしてもこれじゃなきゃ!」というシチュエーションも少ないと思いますので、上記のどれかが必要になったらその時に有償版へのアップグレードを検討しても良いのではないかと思います。
有償版の機能についても画面上に大きくウォーターマークこそ入りますが、機能制限されているわけではないので、購入前に効果を試すことは可能です。(透かしは「これでもか!」と入りますが…笑)
(2017/9/26の時点で有償のStudioは¥33,980 (税抜価格) / $299です。以前は10万円以上していたので随分お得な設定になりました。)
いずれにせよ、無償であれば試さない手はないと思いますので、ここではDaVinci Resolveを使った動画編集の基本的なフローを紹介していこうと思います。
まず、https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/davinciresolve/#へアクセスして、ソフトをダウンロードします。
(その際に名前やメール等の記入が必要となります。)
インストール後にソフトを立ち上げたら、このような画面になると思いますので、「名称未設定のプロジェクト」をダブルクリック、もしくは「新規プロジェクト」を選択してプロジェクトを立ち上げます。
そしてソフトが立ち上がるわけですが、何が何やら…となると思いますが、基本的なページ構成は画面中央一番下の
- メディア
- エディット
- カラー
- Fairlight
- デリバー
の5つです。
(DaVinci Resolve 15からは、これまでは単体ソフトとして同社からリリースされていたビジュアルエフェクトやモーショングラフィック、アニメーションなどを扱える「Fusion」が組み込まれました。16からは「Cut」ページが追加されました。)
作業で必要な順番に左から並んでいるので分かりやすいですね。
では、それぞれの役割を見ていきましょう。
① メディア (Shift + 2)
プロジェクトで使用する動画や音楽、写真などをPCやMac、ハードディスクからDaVinci Resolve内に取り込みます。
左上のセクションから取り込みたいファイルが保存されている場所を開き、
①取り込みたいファイルを選択したら、
②画面下のセクション(メディアプール)へドラッグします。
これでメディアプール内の素材はタイムライン上で編集可能な状態になります。
「自分の本棚から、作業に必要な本だけを机の上に移動しておく作業」とでも言えばイメージが湧きやすいでしょうか?
更に、通常は編集時にもっさりしないようにファイルの最適化などをここで行うのですが、今回は全体の流れの説明という記事の性質上、割愛します!
(2017/10/24追記:この部分のみ詳しく説明した記事をアップしました。)
(2018/2/22追記:メディアページを掘り下げた記事をアップしました。)
ちなみにですが、作業内容によっては画面上の作業スペースの表示/非表示を切り替えたい時があると思います。
その際にはどのページでも画面上部のこの辺りのセクションをクリックすることで各項目を表示/非表示できます。
簡単に画面内の作業領域を確保することが出来るので、効率よく作業をするために是非覚えておいて下さい。
② エディット (Shift + 4)
メディアページで取り込んだファイルが左上に表示されると思いますので、適宜選択して、緑色で囲まれたタイムラインと呼ばれるエリアにドロップしていきます。
このタイムライン上でカット編集をしたり、クリップの順序を入れ替えたり、テロップやトランジションなどの編集を行います。
表示されていない場合には画面左上の「メディアプール」をクリックすると出てくると思います。
(2018/3/18追記:エディットページを掘り下げた記事をアップしました。)
③ カラー (Shift + 6)
このページでは色補正やトラッキング、スタビライズ処理など、各クリップに対しての細かい処理を行います。
「Node」と呼ばれるレイヤーのようなものを使って、作業ごとに個別に変化を加えていくのがDaVinci Resolveの特徴です。
元のファイルにどんどん変化を加えていくやり方だと、例えば最初に行った処理だけを変更したい場合などは難しいですが、ノードを使用することで特定の内容だけを後から変更したり、画面の中の一部分だけに処理を加えたり、ノードの順序を変更することも可能です。
一例を上げると、例えば「色補正→マスク処理→シャープネス補正」という3つの処理を行う際に、後から「やっぱりもうちょっと色補正を変更したいな…」といった場合があるかと思います。
DaVinci Resolveでは「色補正」「マスク処理」「シャープネス補正」と言うようにノードを3つ作っておくことで、いつでも各ノードごとに独立した処理を行うことが可能なのです。
この「ノード」を使用することはDaVinci Resolveの大きな特徴の一つです。
(2018/3/18追記:カラーページを掘り下げた記事をアップしました。)
④ Fairlight (Shift + 7)
映像の編集が終わったらMA(マルチオーディオ)作業です。
BGMのや音声のバランスを整えたり、ナレーション録音を行ったりする、オーディオ作業はこのFairlightページで行います。
各チャンネルごとにEQやゲート、コンプレッサーなどのダイナミクス系のエフェクトも入っています。
リバーヴなどの空間系のエフェクトは入っていませんが、VSTのプラグインも使えますので、無料のプラグインなどをダウンロードしてきて当てることも可能です。
かなり充実したセクションだと思います。
(2018/3/18追記:Fairlightページを掘り下げた記事をアップしました。)
⑤ デリバー (Shift + 8)
映像も音も整ったら最後はファイルの書き出しです。このデリバーページで行います。
左上からYouTubeなどのプリセットを選択し、ファイルの保存場所やファイル名、動画フォーマットの調整などを行います。
保存先を選択し、単一のクリップになっていることを確認。
ここで「ビデオ」「オーディオ」「ファイル」のそれぞれについて、お好みの調整が可能です。
例えば書き出すファイル名を変更したい場合には、「ファイル」のタブの「名称を設定」のところで入力します。
※ここでは私の環境では日本語入力を行うとエラーになります。全角の日本語ではなく、半角英数字の使用を強くオススメします!
全ての設定が完了したら設定したら【レンダーキューに追加】をクリックします。
すると場所が変わって、画面右上のレンダーキューという部分に先ほど選択した設定がジョブとして表示されます。
そしてレンダー開始をクリックすると、指定した場所に動画が書き出され、動画の完成となります。
おおよその予測完了時間も表示されるので便利です。
いかがでしたか?
最初は少し難しそうですが、ぜひ手持ちのファイルをいくつか取り込んで試してみて下さい。
5つのセクションの概念が分かれば非常によく考えられたデザインでスムーズに作業できるのではないでしょうか?
全体の流れが分かったら、その次は個別の機能や使い方を見ていくことになるのですが…非常に奥が深いソフトなので、このブログでもテーマを絞って少しずつ取り上げていきたいと思っています。
もし、「この部分についてもう少し詳しく教えてほしい!」などのご要望がありましたら、下の問合せ欄からお知らせ下さい。
このDaVinci Resolveを使用して制作したサンプルや他の記事も是非ご覧ください!
HH
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