こうのす花火大会 – 花火大会ドローン空撮の舞台裏(後編:本体設定編) | Tokyo Happendix┃映像制作・動画制作とオリジナル音楽制作(東京・板橋区)

こうのす花火大会 – 花火大会ドローン空撮の舞台裏(後編:本体設定編)

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※前編はこちら

 

前回は花火大会でドローンを飛ばす際の申請について触れましたが、、、お待たせしました!

今回は花火の動画をドローンで撮影する際のセッティングについてという、何ともピンポイントなニーズに対しての我々の経験談を紹介したいと思います。

 

完成した動画はこちらから。https://youtu.be/Fm_Q5vaLOiY

 

まずはカメラのセッティングから。

ドローンをお持ちでない方でもマニュアルセッティングが出来るカメラであれば地上からの撮影でも流用が可能だと思います。

 

今回撮影で使用したDJI社のPhantom 4 Proで気を付けたセッティングは下記のとおりです。

 

  1. Logで撮影する
  2. ホワイトバランスを固定する
  3. 24fpsに設定する
  4. F値は開放(好みで絞ってもOK)
  5. シャッタースピードは1/50
  6. ISO 800 〜 1600くらい
  7. マニュアルフォーカスで撮影する

 

でしょうか。もちろん「これが正解!」というものでは無いと思います。

あくまで一個人の好みとして鵜呑みにせず、まずは疑ってかかって下さい(笑)。

花火の撮影が得意な方はいくらでもいらっしゃると思いますので、むしろ教えてくださ…(笑)

 

 

  1. Logで撮影する

    これは、花火はダイナミックレンジが広く(「明るい」部分と空や地上の「暗い」部分の差が大きい)、通常のプロファイルで撮影すると黒潰れや特に白飛びが発生しやすいためです。
    Logで撮影しておけば(RAWが選べるカメラならRAWがベター)、失われる情報が少なくて済むので、編集時の自由度が格段に上がります。メリハリの有る花火動画に仕上げやすくなります。
    Logで撮影した動画のデータそのものはコントラストや再度の低い、あまり冴えない(眠い)画像ですが、先日書いたようなDaVinci Resolveなどのグレーディングソフトなどを使うと、、、覚醒します(笑)
    「グレーディングは難しそうだから…」という方はLUT(ラット/Look Up Table)と言う、色補正のテンプレートのようなものも使えますので、それを当ててやるだけなら手間もそんなに変わりませんし、おすすめです。
    今回はD-Logではなく、必要に応じてISOの変更があると思い、D-Cinelikeを使用しました。(Phantom 4 ProのD-Logの場合はISO 500固定になるため。)

  2. ホワイトバランスを固定する

    花火はカラフルに色が変わっていきます。
    同じシーンの中でカメラ側が勝手に色温度を変更してしまう可能性がありますので、WB設定はオートではなくマニュアルで設定しておきましょう。
    今回は晴天モードにしましたが、好みで他のモードを使っても良いと思います。

     

  3. 24fpsに設定する

    これは30fpsや、YouTubeなどでは60fpsがどんどん増えている中で、「そっち!?」となりそうですが、特に編集で再生速度をスローにしたいような場合以外は、カメラの設定の中で一番小さい数字に合わせます。
    (過去記事:一眼動画撮影時のカメラ設定入門( F値, シャッタースピード, ISO感度)
    fpsというのはFrames Per Secondの頭文字から取ったもので、一秒間に何枚の静止画を繋げて動画にするかというものです。
    24fpsであれば1枚に光を取り込める時間は1/24秒。30fpsでは1/30秒。60fpsでは1/60秒です。暗い状況の中で、センサーに少しでも多く光を取り込む(=画質が上がる)ためこのようなセッティングで撮影しました。

     

  4. F値は開放

    上記の3.と同じ理由です。なるべく多くの光を取り込むためにF値は最大(一番小さい数字)に設定します。Phantom 4 Proの場合はF = 2.8にしました。
    もうちょっと絞りたい場合は絞っても良いと思いますが、その分シャッタースピードやISO感度で調整しないといけないので、最終的には自分の撮りたいイメージとのバランスの兼ね合いになります。
    ちなみにMavic ProはF値が2.2固定のため設定は固定となります。

     

  5. シャッタースピードは1/50

    これも上述の過去記事(一眼動画撮影時のカメラ設定入門( F値, シャッタースピード, ISO感度))にありますが、24fpsなので50fpsに設定しました。
    もうちょっとパラパラした感じの絵作りがしたければ1/100や1/125なども選択肢としてははありますが、花火の流れるような感じが出したかったため1/50秒にて。

     

  6. ISO 800 〜 1600くらい

    上記のF値やSSを固定しているため、実際にはISOで明るさをコントロールするのですが、今回は1600と800で撮影をしました。ノイズも少なく満足しています。
    違いとしては地上の建物などの明かりをくっきりと際立たせたいようであれば高感度の1600を使用。
    それよりも花火にフォーカスしたいようであれば800でと、撮りたい構図によって使い分けました。

     

  7. マニュアルフォーカスで撮影する

    AFではコントラストなどでフォーカスを合わせるカメラが多いため、夜間のシチュエーションでは殆ど約に立ちません。
    花火の光や煙、地上のライトなどでも次々に状況が変わるなか、AFのままだとカメラが何にフォーカスを合わせたら良いのか迷ってしまいます。
    日中のシチュエーションでも基本は同じですが、マニュアルフォーカスに設定し、無限遠で固定しましょう。
    花火を撮影する時には殆どがある程度の距離を置いての撮影だと思います。
    一眼レフなどのレンズでは無限遠側まで振り切ったところから少しだけ戻して県理が必要な場合もあります。 何か遠くで光っているものなどに狙いを定め、モニターで確認しながらその点がぼやけずに一番小さく、シャープになる箇所に合わせましょう。

     


 

そして、ドローン本体の設定ですが、障害物センサーはOFFにしておきました。

花火に近づいた時の誤動作を防ぐためと、真っ暗だとどのみちビジョンセンサーもあてになりません。

今回は更に高度を上げるため飛行高度の上限を150mから変更し、安全のため最大飛行距離も設定しました

 

カメラのジンバルも水平より上に向くように設定しました。+30°まで見上げられるようになったおかげで高さの足りない場合の撮影にも対応できるという心の余裕にも繋がります。

 

その他、60万人がスマホを使っていると混線や電波障害の可能性もあったため、指向性を強めるアンテナブースターも使用しました。

 

更に、今回は別のドローン業者様も同現場に入っており、混線のリスク軽減のために離発着所の距離を離してもらい、上昇/下降以外の時の飛行高度を10m単位で偶数と奇数で区切ることで接触のリスク軽減を行いました。

私を含めた弊社の2名のオペレーター間でも声を掛け合い、それぞれの飛行場所を共有し合いながらの撮影でした。

 

花火は特に打ち上げてのリハーサルも出来ません。
本番は飛行もカメラのセッティングも一発勝負ですので、充分な準備とイメージトレーニングがその出来を大きく左右します。
バッテリーの配分にも気を使う必要があります。

 

Phantomを使っている方も多いかと思いますのでカメラのセッティングなどは参考になれば嬉しいです。

ここまでお読みいただいて、申請なども兼ねて、ご自身で飛ばすのはちょっと難しいかな…となってしまったようであれば、是非ご依頼もお待ちしております!

 

それでは今回はここまで。

 

HH

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